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わが町に読書環境の高まりを
○はじめに
 文化審議会の読書活動小委員会(15.07.22)は、全世代にわたる読書離れの解決策として、子どものうちに読書習慣を身につけることができる方法を検討してきました。その結果、読書指導を現状のように国語科の一部とするのではなく、学校教育の中で明確に位置づけることが必要と判断し、学習指導要領の総則に盛り込むことも提案するまでに「読書指導」の意義は高まってきています。
 当鞍手郡宮田町において、遅れた教育文化水準を直視し、町あげて読書環境を高めようとする気運があり、生涯学習推進協議会を先頭に、読書環境の推進の方策を探るなどしている。また、朗読サークル、本と子どもの会など、活発に活動している読書に関するボランティアグループも見られます。
 そこで、本稿では、町・学校の実態を据えて、今後の学校における読書活動のあり方を探ろうとしている様相を報告します。

1 宮田町の生涯学習の実態調査から
 (1) 宮田町の読書環境の実態

 平成14年1月、町教育委員会から諮問を受けた宮田町社会教育委員会議は、小中学校児童生徒及び全町民対象に「生涯学習を高める社会教育の在り方」に関するアンケート調査を実施しました。
 読書の傾向について、全く同一の設問内容であった宗像市を比較しましたところ、図○のように10〜20ポイントとかなり宮田町は下回っています。
宮田町と宗像市のアンケート「本を読んでいますか」の比較
宮田町 宗像市
















 同アンケートにおいて、他の設問の結果はほとんど差は見られませんでしたので、この結果に一層愕然とさせられました。この差の大きな要因は、宗像ユリックスの設置や「生涯学習フォーラム」開催など、市挙げての生涯学習の取組の差でしょうか。
 ところで、宮田町は、第3次総合計画(H.13〜H.22)において、「図書館を核とする生涯学習施設の建設」を進めようとしていますが、こうした事実を直視し、更に読書環境づくりの推進を図らねばなりません。
 
2 町の読書環境高揚の願い
(1) 初の読書環境シンポジウム開催

 宮田町民は、産炭地閉山の弊害から立ち直ろうとするためか、まちづくりへの関心は高くなってきているようです。このような町民の意思・姿勢をかなえさせていく一つの方途に、この本町の文化的な姿勢・構えづくりが必要であろうという意見が多く聞かれます。そうしたときにその大きな手立てに「読書環境」があると町民はとらえました。その読書環境の現状を見つつ、今後の私たちの学びの大きな手立てである「読書環境」を考えようとして、今回の「読書環境シンポジウム」を初めて行いました(右写真)。
  その中で建設的な意見が多様に出されました。
例えば、
意見1:「図書館には、いろんな人の考えがいっぱいつまっていること。また絵本というのは、読み手それぞれにいろんな読みができる、と子どもに感じさせよう。」
意見2:「講師の先生の実際の『絵本の読み聞かせ』を聞きながら思った。『たしかに図書館がなくても生きていけます。しかし、読書って素敵』という機会をつくってあげよう。さらに、『この本素敵やで』といわざるを得ない本に出会わせるような読書環境づくりを町あげて取り組みたい。」
意見3:「『図書館がある、そんなことができる、素晴らしい』を多くの人に知ってほしいと思っている。」 など
 こうして宮田町も「読書環境」づくりに向かって大きく前進していることを参加者は確認しあいました。
 それと同時期に作成された第3次宮田町総合計画(2001〜2010)に「教育・文化のまちづくり」として、@「生涯学習推進体制の確立」及びA「生涯学習施設の整備と充実」があげられています。
 その@に「町民と行政が一体となった推進体制の整備を行う」とのこと。これは今言う「パートナーシップ」であり、意見を交換し、住民の声を行政側に十分に反映することであろう、ととらえます。
 しかし、ここで大切なことは、住民側は、個々の住民の意志ができるだけ町民全体的になるよう努めないといけません。例えば、この「読書環境を高めよう」とする住民の願いは、先の読書シンポジウム実施のように、多くの人の高まりにしていきたく思います。
 上記のAでは、「図書館を核とする生涯学習拠点施設の整備計画を策定します。」とあります。まさに読書環境の整備の具体的な最終到達点は、それでありましょう。しかし、それまでの私たち住民の高まりがいります。しかも宗像市との大きな読書量の差をどう見るか、一人ひとりの町民は真剣に立ち上がるときが来ています。
(2) まちづくりの根幹をなす読書環境
 多くの人々は絶え間なく変化していく社会の要請に応え、職業上の新しい適応を模索し、また、自分自身の生き甲斐を探求するために様々な学習をしています。社会の変化を個々人による生涯学習が支えてきたとも言えます。
 こうして長い過程・時間をかけて、人々はその生涯学習に大きな意義を見いだすようになり、そのメカニズムを徐々に明確にしてきました。わが町においても、例えば、押し花、3B体操などのサークル活動などに参加し人と交流する、その過程で反省、評価しながら自分を見直して、新たな挑戦が始めています。このようにして生涯学習はスパイラル状になり、人は無限に膨らみ拡がっていくと考えます。それは町という規模になり、町の教育文化のレベルアップになっていきます。こうして「生涯学習する」とは、人とのかかわりの中で学び、挑戦していくことから「人と共に学ぶ」とでも言えそうです。以前から「他の人から学ぶこと」が大切と言われていますが、これからは「人と共に学ぶ・人に学ぶこと」が、ますます重要なことと言えましょう。
 「まちづくり」は住民の住民による住民のためのまちづくりであるととらえます。そこには住民つまりヒトがまちをつくっていくのです。よって、まちづくりの施策が浸透するには“ヒト”づくりが大事であるという視点に立ちたいと考えます。すなわち、まちづくりで大事なのは人づくりであり、学習を通したヒトづくり、指導者づくりが大事です。こうしてまちづくりは高まります。これを本稿は「まちづくりは人づくりで」と称したく思います。
 ここに、「生涯学習のまちづくり」と「生涯学習による人づくり」との接点の一つが見えます。
 ちなみに先に見た平成14年2月開催の「町の読書環境シンポジウム」において「まちづくりは人づくりに始まる」という意見が参加者から出て、本町の課題としてまとめられたばかりです。
 そこで、本町の学校教育における「朝読書」の取組、また平成14年度8月からスタートした0歳児対象の「ブックスタート」の取組、さらに互いに学び、教えあい学ぶ喜びを高める生涯学習を高めるために、学校、施設、地域など対象にした「学習支援ボランティア事業」などは、本町の教育文化水準を高めることになると考えます。
 こうして、本町の教育文化水準、言い換えると読書環境を高めることは、0歳児から小学校・中学校の読書活動の推進にかかっています。その結果が見えるまでには、息の長い取組なりましょう。とくに、図書館を生涯学習センターと大きくとらえていくことが肝要と言われるとき、
宮田町学習支援ボランティア事業の事例
(学童保育所における朗読ボランティア)
そのハード面の箱づくりを含めて、長い宮田町の挑戦であり、町の苦闘が続くことでしょう。これは、確かな成果を上げている町内の中学校の実践の成果の事実を町民は知り、町あげて読書活動を高める全体的な取組になることが肝要でありましょう。

○ おわりに
 はじめに、朝読書の広がりを述べました。その成果はこれからのまちづくりにも大きくかかわることでしょうが、本稿はその主題に迫るには、少々舌足らずです。しかし「まちづくりは人づくりで」というモットーは大事にしたいものです。人づくりの大きな要として学校教育があり、その中の重要な要素に「朝読書」があります。また「読み聞かせ」があります。それらの活動を今後一層活発化し、それを住民にも広げたい所存です。
                             (以上 本HP作成者から)