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 この人に学ぶ

 
書道に生きる力を

 元中学校社会科教師の稲葉富義さん(宮若市磯光松尾在住)は、現在町内のデイケアに通っています。
 稲葉さんは、平成14年の半ば、脳卒中で倒れ、右半身が麻痺の状況が続き、利き手であった右手もほとんど動かないようになり、歩行も困難となりました。幸いにも、頭脳の働きはほとんど以前のように回復しましたが、心理的には生きる力を失いかねないほどどん底にいました。
 しかし、生来の「なにくそ」という精神でもってか、徐々に右足がわずかですが機能し始め、杖を利用しての歩行が可能となり、毎日自宅付近の散歩が出来るようになりました。
 その後、デイケアにいくことで何とか生きる力を増したいと通うようになりました。
 病院関係者によりますと、通い始めの頃は、稲葉さんは、かなり落ち込んであったそうです。あるとき、発病前趣味・特技でもあった「書道」を、何と利き手でない左手で書き始めました。その作品の一つが右の条幅です。「平常心是道なり」(へいじょうしんこれみちなり)と読むのでしょうか。見事です。書道に通じてある人が「体一杯で表現しようとする気持ちが伝わってきます」と絶賛してありました。
 現在稲葉さんは、右の書道にもみられるように、デイケアに通いつつ自己の生き方を発見しようと頑張っています。
 私たちの人生に生かしたく、地獄の苦しみから立ち直ろうとしている素晴らしい人を紹介しました。

 稲葉さんの作品をいくつか紹介しましょう。現在安倍病院デイケア室に展示してあります。

 下写真は、稲葉さんが平成13年5月公民館サークル「書道同好会」で指導の様子です。
 お弟子さんが先生の復帰を待っています。一日にも早いご回復を祈ります。
心ここにあらざれば、視(み)れども見えず、聴けども聞こえず
疲れたら休み、元気になったら、また働く春の日